2013年8月24日土曜日

みんなメディアは左翼偏向と叩くけど(実際問題なのは間違いない)、煽ってばっかのメディアも怖いよ(OUTFOXED)

 日本においては、マスメディアの大半が反日という地獄絵図で、東京新聞ジャーナリストの長谷川幸洋さんの記事でジャーナリストは左じゃなくちゃいけないと本気で考える理性を失った方々が、日本のマスメディアの主流であって、偏向は当たり前なのですね。

 靖国参拝で安倍首相や内閣閣僚が参拝すると、中国や韓国に対して歴史問題に対して配慮が出来ていないとしきりに繰り返す日本の左翼メディア。

日本において左翼=反日本、親中韓なので、日本が悪いと言えば問題がないと本気で考えているようです。

 ただアメリカにも同じような問題があります。メディアという私達が情報を得る手段でもありがなら、国民を扇動し、国家が間違った方向に突入してしまう危険性に警鐘を鳴らしたドキュメントが「OUTFOXED」です。

 題名のOUTFOXとは、相手を出し抜く、裏をかくという意味で、アメリカのニュースチャンネルFOXニュースとかけて付けられました。

 FOXニュースとは、世界のメディア王であるルパート・マッドック率いるニューズ・コーポレーション傘下のニュースチャンネルで、アメリカにおいても強大な影響力を誇るメディアです。

 ドキュメントは、FOXニュースが極めて偏った報道によって、国民を煽りイラク戦争に導いたのではないかと糾弾する内容で、インタビューとしてFOXニュース製作に関わっていたスタッフや、CBSの有力キャスターであったウォルター・クロンカイト、同時多発テロで父親を亡くしたがアフガン戦争に反対する男性が出ています。

 またFOXニュースの報道戦術を紹介しており、いくつか紹介します。

 ①POLLING,GRAPHICS, AND MUSIC(

  スローガンとグラフィック、音楽で視聴者をメロメロにさせろ。グラフィックに国旗を入れて、BGMに壮大な音楽入れれば、脳内ドーパミンが放出されて中毒にさせるべし。スローガンは「FAIR & BALANCE」

 ②NEWS COMMENTARY & AD LIBS

 ずっとコメンタリーは、ビル・オライリーで決まり。ビル・オライリーにインタビュー担当させて、少しでも意図しない反応が返ってきたら一言「Shut up」で終わり。あと民主党がバカに見えるような広告を入れて共和党カッコいいよねみたいに見せる。あとFOXニュースの意図に合わない意見は一切排除。
 
 ③SOME PEOPLE SAY

 誰が言ったんだよ、それっていう内容を根拠にして、報道の根拠にする。インタビューでは、○○と誰かが言ってたんだけど、これどう思いますかって、インタビュー相手にぶつける。無論、意味が分からないので・・・になります。引用元は、誰かなのです。(ある○○官僚曰くっていう日本の報道を同じ?)

 ④EXPERTS

 FOXニュースに出てくるコメンテーターは、全部お金貰って主張内容は予め決められています。あとコメンテーターは別に有名じゃなくていいですよ、FOXニュースの言いたい事言ってくれればね。

 ⑤OPERATION CHARACTER ASSASSINATION

 ブッシュ政権にとって危険な人物は徹底的に叩く、叩く、叩く。無害になるまでね・・・



 これ以外にも・・・。書くのが面倒になるぐらいなんですよ。あまりにバカバカしくて。あとはご自身で見て頂ければと思います。

 FOXニュースは、アメリカの報道が左翼偏向なので、逆に右翼偏向メディアを作ればいいじゃないかということで生まれたのですが、人種、性、戦争等一切手抜きがありません。差別的な内容を報道することによって、庶民が扇動されてしまうという恐ろしい事実。

 またイラクが大量破壊兵器を保有いるとニューヨークタイムズのジュディス・ミラー記者が捏造した事件も有名で、アメリカでも左翼メディアが日本の戦前の朝日新聞になってしまいました。

 メディアとして最悪最凶の姿が、「OUTFOXED」にあります。NHKや民放の報道も、基本は同じ手法なので、マスメディアが偏向報道を行う時の手口を勉強されたい方は、是非お勧めしたいドキュメント映画です。

 国民の為に全力を尽くす国士でも、マスメディアが気に入らないとなれば、徹底的に叩く。そして政治生命が失われるという結末。それで、どれほど日本の国益を破壊したか・・・

 マスメディアは、真実を客観的に公平な視点で報道する事はないと肝に銘じた方がよいでしょう。マスメディアにとっての正義は、自分たちにとって気に入らないモノは徹底的に叩くに他なりませんから。

 それにしても、ルパート・マードックと組んでテレビ朝日を買収しようとしたソフトバンクの孫正義さんは一体何を考えていたのでしょうかね。テレビ朝日買収が成功していたとしたら、まさか朝日がFOXニュースみたいな右翼メディアになっていたのでしょうか。日本を良くしたいと思うなら、テレビ朝日をルパート・マードックの支配下に置くのは良くない。いや、それに気づいたから孫社長、テレビ朝日買収を諦めたのか・・・。やっぱり孫さん偉大だよ。心置きなくアメリカの別荘でゴルフ三昧な日々を過ごしていただきたい。

 世界最大の動画サイトにUPされているかもしれませんので、興味がある方はどうぞ。
  
   

2013年8月7日水曜日

メディア業界狂騒戯曲「ネットワーク」

  「ワタシはテレビの前で自殺する事を予告する」から、「テレビなんて全て幻想である、さっさとTVを消すのだ」・・・。

 シドニー・ルメット監督の傑作「ネットワーク」で、主人公で大手メディアUBSの報道番組で主人公であり、長年ニュースキャスターを務めてきたハワード・ビール。

 報道業界に携わる人々は、視聴率競争や収益確保、製作者側の野心によって、全員気が狂ってるぜ・・・という報道業界風刺映画が「ネットワーク」です。

 いきなり始まりがナレーションから始まり、ハワード・ビールが番組で「私は公開自殺する」なんて言い放つ。もちろん、他のメディアも、その発言を取り上げ世の中大騒ぎ・・・。理由は視聴率低下によって自分のクビが決まったから、ちょっと気が狂ってしまいました。

 公開自殺予告の後、製作陣は大慌て。ということで、株主にどう説明するか悩みます。いきなり株主ですか・・・。報道業界の倫理はどこに逝ったの?って言うのが映画の始まりです。

 こんな事日本ではありえませんが、「ネットワーク」が公開された当時(1976年)のアメリカ社会は、ウォーターゲート事件やベトナム戦争終結、アメリカとソ連のイデオロギー対立、中流階級における夫婦交換の流行、宗教問題、石油危機等もう激動の時代でした。

 こういう激動の時代になると、報道のネタも事欠かないが、視聴率競争の為に番組内容がどんどん極端になり、いつの間にかハワード・ビールがテレビ宣教師のようになってしまうのです。ヒトラーのように大衆を扇動していきます。報道を通じて・・・。

 何故報道内容がどんどん極端になり、視聴率競争の為に手段を選ばなくなるか。単なる収益確保だけではないのです。いや、私達にとって身近な出来事によって狂っていくのです。

 まず最初のナレーションに、ハワード・ビールが妻と死に別れ、鬱的症状に悩まされアルコール中毒になり、視聴率低下も重なって解雇通告を受けたと解説されます。家族の不幸と、仕事の不幸が重なり合うことで、ハワード・ビールが狂っていくのです。それが、一キャスターがテレビ宣教師のようになり、世の中は不正ばかりだ、テレビでやっている事は全て嘘だと大衆を煽り、国民の怒りを糾弾するアイコン的象徴になるという・・・。

 それなら、即降板させてハワード・ビールをテレビに出さないようにすべきですが、視聴率競争に使えると思った女性プロデューサーがハワード・ビールを使う事にしました。その女性プロデューサーが実権を握り、視聴率獲得の為に極端な報道番組を作っていきます。最初は、物珍しさに注目が集まり、視聴率競争でダントツになり、表彰される一大センセーショナルになるのですが、途中で大株主を批判するような発言等が目立ち、番組制作がうまく行かなくなり、結局視聴率が落ちはじめて・・・というシナリオです。

 この映画で描かれる問題は、現代のメディアが抱えている問題そのものです。

 ①マスメディアの倫理崩壊で、差別的・扇動的内容を報道することによって、視聴率を稼ごうとする。報道ではなく、単なるプロパガンダになってしまい、国民を間違った方向に向かわせる危険性。

 ②株主利益のために収益拡大に走らざるをえず、それが視聴率競争を過熱させ公平な報道が不可能になる。また、大株主の利害関係で報道機関におけるタブー的内容が増え、公平な報道が成り立たなくなる危険性。

 ③極端な報道ばかりする番組を流しても、報道主の大手メディアは責任を取らない。番組制作中断で終わり・・・。

 アメリカのメディアにおいては、FOXニュースはニュース・コーポレーション傘下であり、ルパート・マードックの意図通りに報道されますね。またNBCもGE参加のメディアである以上、GEに不利益になる報道がやりづらい状況が生まれてしまう。「ネットワーク」では、ハワード・ビールがUBSの大株主であるCCAという企業を批判することによって急展開を迎え、現代のメディアコングロマットに対する危険性を示唆しています。

 この映画における描写は滑稽で、報道に全てを掛ける人達が織りなす人間ドラマという見方をすると、絶対面白く感じません。だからこそ、落ち着いて見れるのですが、映画の中で描かれる問題が現代のメディアに起こっていると思うと、怖い気持ちにもなります。報道もビジネスの一つなのでしょうか・・・。

 登場人物が虚飾にまみれた視聴率ジャンキーで、男も女もみんな狂っている人ばかり。こんな人達が今のテレビ番組を作ってるんじゃないの?と思うようになったら、それはそれで一種の洗脳かもしれません。

 映画の途中、女性プロデューサーがUBS内で表彰されるシーンがあるのですが、「私達は視聴率トップのメディアになるのよ」と言ったら、参加した社員全員発狂します。ハワード・ビールが番組でオーディエンスを煽って絶叫する反応とうり二つ。番組作っている人たちも、煽られる大衆も大して変わらない。かたやビジネスを視聴率狂騒と割り切って、視聴率取れるなら内容なんてどうでもいい、かたや面白くて、自分の怒りを代わりに吐き出してくれる番組サイコ―と思う視聴者・・・。

 報道に携わる人々も、やっぱり人間なんですね・・・。