新保守主義政策を推し進め、共産主義と徹底的に戦ったロナルド・レーガン氏の伝記映画をご紹介します。伝記映画自体4時間近くあるので、上下に分けてアップします。
ロナルド・レーガン氏の人生は波乱そのもので、ハリウッドスターからアメリカ大統領まで登りつめた男、新保守主義を押し進めるために大きな政府や共産主義と戦い、政府支出をカットし小さな政府を実現しようとした男、家族との葛藤といった一人の男としての人生が描かれています。
序盤は反共産主義志向が、いかにロナルド・レーガン氏に根付いていったか、中盤はレーガンの政治参画のプロセス、終盤は暗殺危機から、政治家としての挫折に焦点が当てられています。
レーガン政権の根幹にある反共産主義や、小さな政府志向は、個人の信条を元に進められました。現代ではレーガン政権について賛否両論でしょうが、レーガン自身は決して悪人ではありませんでした。個人の信条を正義として信じていただけなのです。小さな政府を推し進める事が、アメリカを救うと本気で信じていたレーガン。しかし、なぜ小さな政府がアメリカを救うのか、その根拠は持ち合わせていなかった。
レーガンはハリウッド俳優時、50本以上の映画を作ったが、悪役として出演したのは1作だけで、レーガンは正義のヒーローとしての自分自身にロマンを感じていた。俳優としてのキャリアも、結婚も経験し公私とも順風満帆であったが、若い頃から政治的活動に従事し、リベラルで民主党支持者で、原爆や人種差別を批判していました。
そしてレーガンが政治的信条を変えるきっかけとなったのが、ハリウッドにおける共産主義者の台頭と、その対決です。映画俳優組合員として、共産主義者と噂される組合と対決するのですが、その代償として、脅迫されたり、ファシストと呼ばれるようになり、俳優としてのキャリアが閉ざされる。そこで共産主義に対する憎悪が確固たるモノになり、映画俳優組合委員賞として火米活動委員会に協力し、反共産主義者として活動していく。レーガン自身の私利私欲というよりは、自分の正義を貫こうとしただけだった。
そして政治家としてカリフォルニア州知事からアメリカ大統領を担った男、ロナルド・レーガン。その土台は、俳優時代の経験から生まれたものだった。ただし、政治家としての資質よりは、俳優としての演出力や演技力はピカイチだったが、政策の根底にあるのは、反共産主義、小さな政府志向だけでした。理念ありきの政策は、国民が理念に希望を抱いて大きな勢いが生まれるが、途中で大きな万台にぶち当たり、政治家としての挫折を味わう。
レーガンって人間としては良心的な人だったのでしょう。神を信じ、共産主義を倒し、アメリカ社会の栄光を確固たるモノにするために戦った男。政治運動に傾倒して、離婚を経験して鬱的症状に悩まされたりと普通の人と変わらなかったのです。打倒共産主義に異常な程執念を燃やし続けただけなんですよ・・・。
レーガノミクスで双子の赤字を抱え、格差が広まり、中間層が没落していくのに、軍事的にはかなり右傾化していく。小さな政府には、大きな軍備が必要なのか。一見矛盾しているように見えて、共産主義を倒すためには、国内は小さな政府、対外政策は大きな政府という歪さも、本人にとっては関係なかった。
レーガン大統領の行動信念は、あくまでも反共産主義が元にあって、強いアメリカを実現するために、いかなる政策も反共産主義のイデオロギーが反映されており、それがレーガン自身が信じる正義だったのでしょう。
かつてはリベラルで民主党支持者であったレーガン、映画俳優組合の委員長すら務めた男が共産主義と噂される俳優達が作った組合との対決によって、人生が変わってしまった。共産主義を倒す為に、保守派に転身し共和党の政治家として新たな道を歩み始めたのだ。
これこそ、Born again the conservatives
サッチャーやリンカーンは伝記映画が作られるのに、いつになったらレーガンの伝記映画が作られるのでしょうか。(次回は、この続き)
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