2013年5月17日金曜日

政治家の皆様、自分の理念を実現するために手段を択ばない男の末路を教えてあげよう「トレーニング・デイ」

今年のGWも終わってから、政治が大変なことになっております。橋下市長の慰安婦問題から、飯島勲氏の極秘訪朝など、水面下で相当極秘なやり取りが繰り広げられているようです。

外交的には、北朝鮮の核問題が最優先事項で、隣国の中韓と日本の連携で北朝鮮に圧力を掛けて核問題の解決に向けて協力し合うべきタイミングで、こんな事やらかして良いと思っているのか。

少なくともアメリカはやきもきしているでしょう。イランの核問題の方が優先度が高く、未だに中東問題が最優先事項なのですから。イスラエルとの関係もありますし・・・。


 とりあえず、世界が混乱している時こそ、行動原則を明確にして敵対勢力に隙を与えない事が重要です。しかし、日本の政治家の皆様、ちょっとやらかし位が「トレーニング・デイ」のデンゼル・ワシントン並みになってきた。

 今年のアカデミー賞でもフライトで主演男優賞でノミネートされたデンゼル・ワシントン。フライトは飲んだくれパイロットを演じて、映画自体も好評だったが、その演技を上回る程強烈なキャラを演じたのが「トレーニング・デイ」におけるベテラン警官のアロンゾだ。

 警官なので正義の人だと思っていたら、アロンゾの悪役ぶりはコンビを組む新米警官のジェイク(イーサン・ホーク)が戸惑いを隠せず、アロンゾのいわれるがままなのだ。いきなり歓迎祝いとして薬をジェイクにやらせるわ、大物密売人に会ったりするわで、なんで正義の人である警官がこんなことしてるんだと思いつつ、アロンゾの術中にはまっていく。

 悪を倒せるのは悪だけだとでも言わんばかりのアロンゾ刑事の理念(?)に、次第に不信感を抱き始める新米警官のジェイク。新米警官といいながら、薬をやってしまったのでいつ逮捕されてもおかしくないという不思議な状況で、アロンゾとジェイクの中で埋められない亀裂が生まれていく。普通のバディムービーやブロマンス映画とは一線を画す映画なのだ。

 ベテラン警官のアロンゾと新米警官のジェイクを比較すると、アロンゾの方が現実主義的で、ジェイクは理想主義的なのだ。ロサンゼルスを舞台に、不正や腐敗に直面しながら経験を積んだアロンゾは、自分の正義を実現するために手段を選ばない。いや手段を選ぶ判断基準が全く失われているようなものだ。ジェイクは、まあ現実に直面していない分、不正を冒してでも自分の正義を貫こうとするアロンゾを理解出来ない。

 お互いの中で関係に亀裂が生まれるのだ。修復不能な程の大きな亀裂だ。


 正義を実現する為に手段を選ばなくなった男は、いつしか傲慢になり誰からも信頼されなくなっていく。何をやっても、自分のやった事は正しい事であるとしか思えなくなるから、他人の犠牲はおかまいなし。

 そして手段を選ばず傲慢な偽善者に成り下がった男は、致命的なミスをやらかすのだ。命を狙われるほどの危機に直面する。もちろん、悪気はないので、自分の罪を償う気持ちはない。生き残るために手段を選ばず、コンビを組んだジェイクまで利用しようとする。ここまで来たら、もうアロンゾの運命は破綻して当然なのだが、歯止めは効かない。アロンゾ自体、もう普通に戻れないのだ。

 生き残る為に、さらなる罪を重ねていく。哀れな男の末路だ。この男にまともな理性は存在しない。だから今までやってきたことを続けていくしかないのだ。相棒をハメようとするわ、現金強奪から証拠隠滅まで何でもやる。元々悪い奴をハメて、生き残ろうとすることに罪悪感はない。

 しかし、新米のジェイクを利用しようとしたのが間違いだった。むしろ、これがアロンゾが転落していくきっかけともなる。結局、正義を実現しようとしているのではなく、自分を正当化することしか考えていないので、いざ危機に陥った時に誰も助けようとしないから。

 ジェイクも悪の権化と化したアロンゾに利用され死の危機に直面するが、実はある行いによって救われた人がいて、その関係で命拾いするのだ。

 映画の中で描かれるアロンゾとジェイクのそれぞれが直面した危機は、対比構造になっている。悪の権化と正義の味方が危機に直面した時、各々はどう行動するのか、周りの人間はどう反応するのかがポイントだ。

 結局、どちらかが「俺達に明日はない」エンディングで、蜂の巣にされる。


 まるでアロンゾの行動や思想は、ある政治家に似ている。特に行政のトップでありながら、歴史問題から外交問題まで様々な波乱を引き起こし、日々釈明に追われている、あのお方だ。とりあえず行政のトップなのだから公務に集中すべきなのに、釈明のために記者会見開いたり報道番組に出演して、公務をこなす時間が浪費されていくので、海外からの批判だけでなく、有権者からの不満も強くなるだろう。

 相手が酷い事をやっているから、自分は何を言ってもいいわけではないのだ。結局敵対勢力に隙を見せることになり、足を掬われるだけだ。致命的なミスを犯してしまうと、そのミスを取り返す為に行動が過激化していけば、最終的には選挙という民意を反映する場で「俺達に明日はない」と同じように蜂の巣にされるだけだ。

 それとも「リンカーン」を見て、行動が過激化したのだろうか。リンカーンは奴隷制度を廃止する為に南北戦争を利用したとも、陰で沢山の不正を行った汚い政治家とも解釈できるが、奴隷制度廃止を政治利用したわけではない。奴隷制度廃止の為に全てを捧げた男なのだ。

 選挙アピールのために手段を選ばず、歴史問題を利用しようとすると痛い目に合うので気を付けて欲しい。実際リンカーンですら最後は暗殺されたのだから。

 暗殺されたリンカーンは、後世の歴史が彼を支持した。
果たして、某市長はいかに・・・



 

 

0 件のコメント:

コメントを投稿