2013年4月16日火曜日

田村耕太郎さんの著作読んでグローバル企業で活躍したかったら・・・「ザ・コーポ―レーション」

田村耕太郎さんのドラゴンクエスト解説本、今年になってから、出版ペースがグローバルエリートレベルになっております。

 ツイッターにも田村耕太郎さんの著作についての驚嘆の声で埋まり、本人も宣伝のつもりかRT沢山しているようですね。

 田村耕太郎さんの著作は、日本を飛び出て世界にチャレンジしようという内容なので、見知らぬ土地でチャレンジするには、相手を理解する必要がある。特にグローバル人材になるには、グローバル企業や、そのような企業で活躍する人間が、どのような思考を持っているのか?


 今回は企業という存在に焦点を当てたカナダ製作のドキュメント映画、「ザ・コーポレーション」を取り上げます。本としても出版されており、映画か本、どちらかを読めばグローバル人材に必要な思考方法を知ることが出来るでしょう。

 この映画は、マイケル・ムーアやミルトン・フリードマンといった思想人や超有名企業でCEOを務めていた方まで、多様な人材に対してインタビューが収録されています。この映画自体は、反企業的側面が強く、企業が国民生活に貢献してきた部分はあまり取り上げれられておらず、巨大資本の不正や、反社会的行為、発展途上国に対する経済的搾取といった事件を取り上げ、企業とは何かを論ずるものです。

 本作におけるキーワードは、徹底的な収益追求の後に企業は一体どうなってしまうのか?という点です。結論は、反社会的性格を帯びたサイコパスになってしまう。映画のあらすじ(ネタバレ注意)

 この映画ではサイコパスという言葉が多用され、企業は収益最大化の為ならば手段を択ばないという主張を証明するため、いくつもの実際に起きた事件が取り上げられます。

 実際に取り上げられた事件の一つにボリビアの水道事業民営化問題がありますが、これは007慰めの報酬の元ネタになった。(慰めの報酬の解説)。実際はベクテルという米企業が、世界銀行と繋がっており、世界銀行が財政難で苦しむボリビアを優遇する代わりに、水道事業をベクテルに斡旋したという。世界銀行とは、発展途上国の健全な経済発展を促す為に存在すると一般的には思われているが、国際機関の欺瞞を告発する内容になっている。

 映画自体は、企業の反社会性をアピールする為に同じ内容を何回も繰り返されており、撮影時間もかなり長いので飽きる人もいるだろうが、企業体の負の部分を認識するには良い教材になる。

 
 このドキュメント映画で、注目してほしいのは、企業が消費者に行う広告活動である。学生から見れば、広告に対して憧れを持つ方も多いだろう。文系学生で、マーケティングに憧れ、実際に勉強している方も多い。ただ、憧れだけではなく、実際の負の部分を認識する必要がある。

 企業にとって広告とは、収益最大化の為に消費者をCM等で洗脳し、自社製品を買わせるよう扇動しているとの描写があり、広告とは何か、今までとは違う解釈を見ることが出来るだろう。

 
 本作で告発された反企業的性格は、グローバル企業の経済活動に象徴される特徴である。大人数で権力を持ってしまえば、消費者の都合を一切無視して、企業利益を最優先する傾向が生まれてしまう点を、倫理的に否定するだけではなく、一人一人が理解すべき事であるとの主張は一見に値する。

 とくにグローバルに活躍したいと思われる方には、企業体の反社会性を認識すること。自分が生き残るためには、人間的良心を捨てたサイコパスになる覚悟はあるかを心の中で問うたほうが良いだろう。

 3月初旬にマイケル・サンデルの白熱教室で、日本の企業経営者との冷めた公開討論会が放映された。日本の企業経営者は、企業収益の向上・企業価値の最大化は大事だが、最も重要な事は社会との共生であると口を揃えて主張し、サンデルを唖然とさせた。

 正直、サンデルはもっと過激な言葉を期待していたと思われるが、それは巨大資本が収益最大化を追及する事は正しいのかといった面を、もっと議論したかったのだろうか。

 無論、ブッシュ政権における生命倫理委員会のメンバーでもあったサンデル師の思想は日本人に理解されずらい可能性もあるが・・・。

 本作は、ニコニコ動画に字幕ありUPされていたので、時間がある方は必見。
 

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